【代表コラム】「補助金を使い切って終わり」にしない!自走し、愛され続ける地域事業づくりの鉄則

6月に入り、国や自治体によるさまざまな「補助金・助成金」の新たな公募が次々と公開されています。

特に近年は、「地域創生」や「社会課題解決」、「デジタル化」、「起業」を後押しする流れが活発です。地域事業者の皆様にとっては、初期の資金調達や新事業への挑戦において、非常に心強い味方ですよね。

しかし、私が行政時代に事業者支援を担当して多くのプロジェクトを見つめ、独立してからも数々のローカルビジネスに伴走してきた中で、ある「もったいない現実」を何度も目にしてきました。

それは、 「補助金の獲得がゴールになってしまい、事業期間が終了した途端に失速、あるいは継続できなくなってしまう」 というケースです。

そんな様子を目にする度に、「せっかく素晴らしい志から始まった事業なのだから、長く愛され、応援される事業になってほしい」と願って止みません。

今回は、補助金というチャンスを最大限に活かしつつ、その先も自走し、愛され続ける事業をつくるための「大切な鉄則」をお話しします。

目次

鉄則:補助事業と「広報・PR」はセットで計画するべし

まず大前提としてお伝えしたいのが、「補助金を使って新しいことを始める時には、最初から広報・PRの計画をセットで組み込んでおくべき」ということです。

多くの事業者が、新しい商品開発や設備の導入(=中身をつくること)に予算とリソースの大半を割き、広報は「完成してから考えよう」と後回しにしてしまいます。

しかし、情報過多の今の時代、完成してから「新しく始めました!」と一方的に発信しても、なかなか社会には気づいてもらえません。

補助金を使って事業を動かし始める「その瞬間」から、

  • なぜ、この事業を始めるのか(ストーリー)
  • 今、どんな壁にぶつかりながら開発しているのか(プロセス)

という過程自体をオープンにし、広報・PRを通じて地域や未来のお客様を巻き込んでいくこと。この「開発と発信の同時進行」こそが、 “オーディエンスのファン化”を劇的に高める秘訣です。

陥りがちな罠:「予算の使い切り」に追われていませんか?

広報を後回しにしたまま補助金事業に採択されると、ある罠に陥りやすくなります。 それは、決められた計画通りに予算を執行しなければならないという、手続きや書類の作成だけで日々の業務が埋め尽くされてしまうことです。

  • 「仕様書通りに発注する」
  • 「予算を使い切る」
  • 「報告書を書く」

もちろん、これらは当然やらなければいけない大切なルールです。しかし、本当に目を向けるべきは、書類の向こう側にいる「未来のお客様(市場)」ではないでしょうか。

補助金をもらっている期間は、いわば「社会からいただいた準備期間」です。 この期間中に、「予算を使うこと」以上に熱量を注ぐべきなのが、補助金がなくなった後も、お金を払って応援してくれるファン(リピーター)づくりなのです。

自走へのカギ:期間中に「情緒価値」を言葉にして届ける

補助金を使って、新しい設備を入れたり、立派なホームページを作ったり、綺麗なパッケージを開発したりする。これらはすべて「機能(スペック)」のアップデートです。

しかし、スペックを綺麗に整えただけでは、補助金が終わった後の激しい市場競争の中で、大手や競合の中に埋もれてしまいます。

だからこそ、補助金とセットで行う広報・PRでは、自社の事業が持つ「情緒価値(ストーリー)」を言語化し、発信し続ける仕組みを今から作っておく必要があります。

  • なぜ、この事業がこの地域に必要なのか(志)
  • この商品やサービスは、地域のどんな未来をめざしているのか(ビジョン)

この“想い”に共感してくれるファンを期間中にどれだけ集め、関係性を築けるか。それこそが、補助金というブースター(加速装置)を外した後も、事業が自力で走り続けられるかどうかの分かれ道になります。

せっかくの素晴らしい挑戦を、1回きりのイベントや予算の消化で終わらせないために。未来のための種蒔きを、今から同時進行で進めていきましょう。

今は補助対象経費として「広報費」が設定されている補助金等も多いので、現在ご検討中の方・これから検討される方は、ぜひその点にも注目してみてくださいね。

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