【代表コラム】その広報、実は「ダサい」と思われていませんか?――価値観を結ぶための処方箋

「広報は、堅実で、正確でなければならない」
自治体や学校、インフラ企業様など信頼感を大切にされている組織ほど、このように考えていませんか?
その誠実な姿勢は非常に大切です。しかし、送り手の「真面目さ」が、受け手にとっての「ダサさ」にすり替わってしまっているとしたら、これほどもったいないことはありません。
今回は、なぜ真面目な組織ほど「広報のギャップ」に陥ってしまうのか。そして、そこから脱却し、住民や顧客と価値観を結ぶためのヒントをお伝えします。
私の原体験:ゴミ箱に置かれた広報誌の衝撃
実は私自身、市役所職員として広報を担当していた頃、深刻な課題を抱えていました。
一文字のミスも許されない正確な情報を、何日もかけて誌面に詰め込み、「市民のために」と奔走する職員たち。しかし、発行日に街を歩けば、その広報誌が読まれることなくマンションのゴミ箱に置かれている……。
当時は「なぜ読んでもらえないのか」と悩みましたが、PRの専門家となった今、当時の自分に足りなかった視点がはっきりと分かるようになりました。私たちは、「正しさ」だけを追求し、受け手の「価値観(センス)」に寄り添うことを忘れていたのです。
「ダサい」の本質は、デザインではなく「価値観の不一致」
広報・PRにおいて相手に「ダサい」と感じさせてしまうこと。それは単なるビジュアルの好みの問題ではありません。
受け手にとって、それは「この相手は、私の価値観を理解していない」という離脱のサインです。
一度「自分には関係ない、センスの合わない相手だ」というレッテルを貼られてしまうと、どれほど有益な情報を発信しても、相手の心のフィルターを通過できなくなってしまいます。
なぜ真面目な組織ほど「ダサさ」が生まれるのか
その大きな要因は、「自分たちの正論」をそのまま押し出してしまうことにあります。
- 情報の詰め込み: 1枚のチラシにすべてを詰め込もうとする
- 専門用語の多用: 内部でしか通じない言葉を「正確さ」のために使い続ける
- ビジュアルの軽視: 「内容が正しければ、見た目は二の次でいい」という思考
これらは組織側から見れば「誠実」かもしれませんが、ユーザー側から見れば「不親切」。「自分たちとは違う世界の人」に映り、距離を作ってしまうのです。
ペルソナと価値観を合わせるための「3つの工夫」
「ダサい」を卒業し、共感を生むための、3つの改善ステップをご紹介します。
① 「機能」を「情緒」に翻訳する
真面目な組織の広報は、「サービスの説明(=機能価値)」に終始しがちです。単なる説明に人の心は動かず、せっかく良いことをしていても感謝されません。
「〇〇サービスを開始します」ではなく、「このサービスで、あなたの暮らしがどう変わるのか」というストーリー(情緒)を語ること。
スペックの羅列をやめ、相手の心が動く「景色」を言葉にすることから、共感の結び目が生まれます。
② 視覚情報の「引き算」を徹底する
真面目な組織ほど、余白を「もったいない」と考え、情報で埋め尽くしてしまいます。しかし、情報は詰め込むほど、相手の思考を停止させます。
伝えたいメッセージを一つに絞り、その一言を届けるために、あえて「書かない勇気」を持つこと。
洗練されたデザインとは、装飾することではなく、本質以外を削ぎ落とした結果として現れるものです。
③ 「マジメ語」から「相手の言葉」へ
「~を実施いたします」「~を啓発します」といった日常生活で使われない硬い言葉は、無意識のうちに心理的な壁を作ります。
まるで相手の鏡になるように、「~を始めます」「~を知ってほしい」と、温度感のある言葉を選ぶこと。
言葉のトーンを相手の日常に合わせるだけで、広報の印象は劇的に変わります。
地域の「真面目さ」を、「憧れ」に変えるお手伝い
“真面目な組織”には、特有の「重み」と「守るべきルール」があります。 流行や一時的な話題を追うだけのPRでは、その組織が持つ本来の良さを消してしまうかもしれません。
MUSUBI planningは、そうした組織の立場を深く理解した上で、結ばれたい相手の感性に合う形へ「翻訳」することを得意としています。
- Instagramアカウント診断: 客観的な視点で「今の発信」の課題を可視化し、具体的な改善策を提案します
- ブランディング支援: 組織や商品・サービスの「コンセプト」「発信」「見た目の世界観」を、届けたい相手に合わせて整えます
かつての私と同じように、「伝えたいのに、届かない」という閉塞感を感じている皆様。 その真面目さを、地域からの「信頼」と「憧れ」に変える戦略を、共に創り上げませんか?
まずはお気軽に、貴社の広報のお悩みをお聞かせください。
